English version none
2+1次元重力の提起している問題が何か、再度、整理します.
0、1998年にStromingerさんが、ブラックホールのエントロピーとの関係で提案[1]されていることです.Brown-Henneaux[2]により1986年に提出されたAdS/CFTのさきがけとも言える理論があり(必ずしも(2+1)次元でなくとも成り立つ論理です)、負の宇宙定数をもつAdS空間とCFTが対応するということが言える.また同年にCardyは、Cardy公式(Cardy-Verlinde公式として一般化された)[3]と呼ばれる公式を発見し、Virasoro代数とAdS空間の対応を示しました。
1、Wittenさんの1988-1989年の『2+1次元位相重力はChern-Simons理論である』という議論がありました.これが位相的場の理論と結び目理論との結合を結びつけていて、さらには、BPS状態の数え上げということもこの議論の延長といえるのではないだとうか.1980年代の終わりに、[4][5]で確立されていく.
2、しかし、そのあとに2007年にWittenさんが、[6]でMoonshineとの関係を提起した.ここで重要なことは、ストリングを全く使わなくともAdS/CFTが登場することではないだろうか.このベースとしては、
☆ BTZブラックホールの発見(1992)
☆ AdS/CFT対応の発見(1997)
がある.これをめぐるブログを、
Wittenさんの2+1次元重力理論
Wittenさんの2+1次元重力理論(続)
(Wittenさんの)2+1次元重力
に紹介しています.
3、Maloneyさんとの共著論文[7]をめぐって
この論文では、2のWitten論文を受けてのものであるが、共形場理論に対応する「相関函数が存在しない」ということをどのように解釈するかということを提起しているのだと思う.これをめぐるブログは、
(Maloneyさんの)2+1次元重力
臨界共形場
に紹介しています.
4、そのあとにMathew群M24に関連する話題
本記事の内容は事前予告なしに書き変わり可能性があります.
【参考文献】
[1]、A. Strominger. Black Hole Entropy from Near-Horizon Microstates arXiv:hep-th/9712251
[2]、J. D. Brown and M. Henneaux. Central Charges in the Canonical Realization of Asymptotic
Symmetries: An Example from Three-Dimensional Gravity. Commun. Math. Phys.,
104:207–226, 1986.
[3]、J. L. Cardy. Oprator content of two-dimensional conformal invariant theory Nucl. Phys. B 270 186, 1986
[4]、A. Achúcarro and P. Townsend, "A Chern-Simons Action for Three-Dimensional anti-De Sitter Supergravity Theories", Phys. Lett. B180 (1986) 89
[5]、Witten, Edward (19 Dec 1988). "(2+1)-Dimensional Gravity as an Exactly Soluble System". Nuclear Physics B 311 (1): 46–78.
[6]、E. Witten, “Three-Dimensional Gravity Revisited,” arXiv:0706.3359 [hep-th].
[7]、A. Maloney and E. Witten, “Quantum Gravity Partition Functions in Three
Dimensions,” arXiv:0712.0155 [hep-th].
2013年10月28日月曜日
2013年10月20日日曜日
昨年末に気がついた2点(その2)
English version none
既に10ヶ月くらい経ってしまいましたが、昨年末に気づいたこと2点を掲載します.統計力学や物性の話題です.一つは松原函数のことであり、今一つはトポロジカル欠陥のことです.二つ目の話題について、すでに1970年代にホモトピーと位相欠陥の話が、凝縮系物性論で知られていたことに、驚いています.関連する話題のノートの一部で、日本語版Wikipediaに登録した内容の部分と、差し支えないと思われる一覧表だけ、前のものに追加して掲載します.
昨年末に気づいた2点(その2)
既に10ヶ月くらい経ってしまいましたが、昨年末に気づいたこと2点を掲載します.統計力学や物性の話題です.一つは松原函数のことであり、今一つはトポロジカル欠陥のことです.二つ目の話題について、すでに1970年代にホモトピーと位相欠陥の話が、凝縮系物性論で知られていたことに、驚いています.関連する話題のノートの一部で、日本語版Wikipediaに登録した内容の部分と、差し支えないと思われる一覧表だけ、前のものに追加して掲載します.
昨年末に気づいた2点(その2)
2013年10月10日木曜日
Wikipedia日本語版の代数幾何学の記事
English version none
日本語版のWikipediaの中で代数幾何学に関連する記事(項目)があまりに少なく、『草も木も生えていなかった』状態でした.少しは項目を増やそうと考え、英語版のWikipediaの記事より、いくつか日本語化しました.時間がかかましたし、記事の粒は揃っていませんが、少しは『こけが少し生えた』のではと思っています.これらは有機的につながっているのですが、便宜的に下記のように分けさせていただきました.
なお、関連する項目は、下記に上げる日本語版の代表的な記事からたどってください.
1、代数多様体の分類理論:
小平次元
関連記事たくさんあります.例えば、『極小モデル』『飯高次元』『双有理幾何学』などなど、
2014年4月:『小平次元』という命名について、記事に事実と異なる記載があり、訂正いたしました.経緯については下記を参照願います.
再び小平次元について
2、代数幾何学の基本的理論:
アフィンスキーム
射影スキーム
これら2つは代数幾何に欠かせない考え方ですので、HartshorneやRed bookのほんのさわり程度にはまとめています.他には、『幾何学的不変式論』など、現在進行中です.
3、Riemann-Rochの定理:
リーマン・ロッホの定理
この定理なしでは代数幾何学が成立しないような重要な定理で、他に関連する記事は、『曲面のリーマン・ロッホの定理』『豊富なラインバンドル』『モジュライ空間』などなど
4、具体的な例、と基礎となっている理論:
代数曲線
基礎となっている理論としては、『代数曲面』『セール双対性』『GAGA (代数学)』『標準バンドル』『交点数 (代数幾何学)』『交叉理論』などなど
5、数理物理との関連:
ホモロジカルミラー対称性予想
これはミラー対称性との関連です。『数え上げ幾何学』『安定写像』『グロモフ・ウィッテン不変量』『量子コホモロジー』などなど
『ホモロジカルミラー対称性予想』(英語版は”予想”は入ってないがあえていれました)は、Hodge Diamondに注力した書き方をしているが、これは追記せねばならないと思っている.一つは、2次元のワールドシートの存在(シグマモデル)を意識した書き方をしないと本質をいったことにならないのではないかと思っている.二つは、一つ目と関連するが、Calabi-Yau/Landau-Ginzburg対応と呼ばれる対応について解明が進んでいるので、これについての概要を記載すべき、三つ目は幾何学的Langlandsのホモロジカルミラー対称性版があるからこれを紹介する必要があると思っている(これはS-双対へとつながっている)現在議論が進行しているものもあるが、記事化すべき段階ではないかと思っている.
他に、ミラー対称性 (弦理論)という記事があります.
ミラー対称性 (弦理論)
本ページは予告なしで書き換えさせていただきます。
日本語版のWikipediaの中で代数幾何学に関連する記事(項目)があまりに少なく、『草も木も生えていなかった』状態でした.少しは項目を増やそうと考え、英語版のWikipediaの記事より、いくつか日本語化しました.時間がかかましたし、記事の粒は揃っていませんが、少しは『こけが少し生えた』のではと思っています.これらは有機的につながっているのですが、便宜的に下記のように分けさせていただきました.
なお、関連する項目は、下記に上げる日本語版の代表的な記事からたどってください.
1、代数多様体の分類理論:
小平次元
関連記事たくさんあります.例えば、『極小モデル』『飯高次元』『双有理幾何学』などなど、
2014年4月:『小平次元』という命名について、記事に事実と異なる記載があり、訂正いたしました.経緯については下記を参照願います.
再び小平次元について
2、代数幾何学の基本的理論:
アフィンスキーム
射影スキーム
これら2つは代数幾何に欠かせない考え方ですので、HartshorneやRed bookのほんのさわり程度にはまとめています.他には、『幾何学的不変式論』など、現在進行中です.
3、Riemann-Rochの定理:
リーマン・ロッホの定理
この定理なしでは代数幾何学が成立しないような重要な定理で、他に関連する記事は、『曲面のリーマン・ロッホの定理』『豊富なラインバンドル』『モジュライ空間』などなど
4、具体的な例、と基礎となっている理論:
代数曲線
基礎となっている理論としては、『代数曲面』『セール双対性』『GAGA (代数学)』『標準バンドル』『交点数 (代数幾何学)』『交叉理論』などなど
5、数理物理との関連:
ホモロジカルミラー対称性予想
これはミラー対称性との関連です。『数え上げ幾何学』『安定写像』『グロモフ・ウィッテン不変量』『量子コホモロジー』などなど
『ホモロジカルミラー対称性予想』(英語版は”予想”は入ってないがあえていれました)は、Hodge Diamondに注力した書き方をしているが、これは追記せねばならないと思っている.一つは、2次元のワールドシートの存在(シグマモデル)を意識した書き方をしないと本質をいったことにならないのではないかと思っている.二つは、一つ目と関連するが、Calabi-Yau/Landau-Ginzburg対応と呼ばれる対応について解明が進んでいるので、これについての概要を記載すべき、三つ目は幾何学的Langlandsのホモロジカルミラー対称性版があるからこれを紹介する必要があると思っている(これはS-双対へとつながっている)現在議論が進行しているものもあるが、記事化すべき段階ではないかと思っている.
他に、ミラー対称性 (弦理論)という記事があります.
ミラー対称性 (弦理論)
本ページは予告なしで書き換えさせていただきます。
2013年10月8日火曜日
Polchinskiさんのインタビュー記事(後半)
English version none
ブラックホールのファイアウォールパラドックスについて、Polchinskiさんのインタビュー記事の日本語化の後半です。Polchinskiさんは、ブラックホールのFirewallパラドックスを提唱している立場です.少し古い記事ですが、今回はファイアウォールパラドックスの説明で、
・Hawkng輻射は純粋状態であること
・有効場理論(EFT)でHawkng輻射により情報が持ちだされること
・ブラックホールへ落ち込む観察者は地平線ではドラマは起きない
の3つを同時に満たすことはできないことを指摘しています。
Joe Polchinski on Black Holes, Complementarity, and Firewalls(後半)
原文は:Joe Polchinski on Black Holes, Complementarity, and Firewalls
ブラックホールのファイアウォールパラドックスについて、Polchinskiさんのインタビュー記事の日本語化の後半です。Polchinskiさんは、ブラックホールのFirewallパラドックスを提唱している立場です.少し古い記事ですが、今回はファイアウォールパラドックスの説明で、
・Hawkng輻射は純粋状態であること
・有効場理論(EFT)でHawkng輻射により情報が持ちだされること
・ブラックホールへ落ち込む観察者は地平線ではドラマは起きない
の3つを同時に満たすことはできないことを指摘しています。
Joe Polchinski on Black Holes, Complementarity, and Firewalls(後半)
原文は:Joe Polchinski on Black Holes, Complementarity, and Firewalls
2013年10月7日月曜日
Polchinskiさんのインタビュー記事(前半)
English version none
ブラックホールのファイアウォールパラドックスについて、Polchinskiさんのインタビュー記事の日本語化の前半です。Polchinskiさんは、ブラックホールのFirewallパラドックスを提唱している立場です.少し古い記事ですが、Hawkingさんの提唱した情報パラドックスの話題から記載されています.今回はブラックホールコンプレメンタリティ(相補性)のところまでで、ファイアウォールパラドックスは次回にします.
Joe Polchinski on Black Holes, Complementarity, and Firewalls(前半)
原文は:Joe Polchinski on Black Holes, Complementarity, and Firewalls
ブラックホールのファイアウォールパラドックスについて、Polchinskiさんのインタビュー記事の日本語化の前半です。Polchinskiさんは、ブラックホールのFirewallパラドックスを提唱している立場です.少し古い記事ですが、Hawkingさんの提唱した情報パラドックスの話題から記載されています.今回はブラックホールコンプレメンタリティ(相補性)のところまでで、ファイアウォールパラドックスは次回にします.
Joe Polchinski on Black Holes, Complementarity, and Firewalls(前半)
原文は:Joe Polchinski on Black Holes, Complementarity, and Firewalls
2013年10月5日土曜日
「ブラックホールファイアウォールパラドックスの幕は下りた」 Science Newsの記事
English version none
ブラックホールのファイアウォールパラドックスの幕は下りたとするScience Newsの記事を日本語化します。
おそらく、この記事の中にもあるように、一風変わった(spooky)エンタングルメントが重要なキーとなっていることは事実のようです.ただ評価が確定しているとは思えません.
また、最新の結果も問題なのですが、それ以上に、1970年代からHawkingさんの提唱しているブラックホールを巡る【情報パラドックスとは何なのか】という問題こそが重要な問題なのだと思います.
ブラックホールのファイアウォールパラドックスのカーテンは下ろされた
原文は:"Curtains Down for the Black Hole Firewall Paradox: Making Gravity Safe for Einstein Again"
ブラックホールのファイアウォールパラドックスの幕は下りたとするScience Newsの記事を日本語化します。
おそらく、この記事の中にもあるように、一風変わった(spooky)エンタングルメントが重要なキーとなっていることは事実のようです.ただ評価が確定しているとは思えません.
また、最新の結果も問題なのですが、それ以上に、1970年代からHawkingさんの提唱しているブラックホールを巡る【情報パラドックスとは何なのか】という問題こそが重要な問題なのだと思います.
ブラックホールのファイアウォールパラドックスのカーテンは下ろされた
原文は:"Curtains Down for the Black Hole Firewall Paradox: Making Gravity Safe for Einstein Again"
登録:
投稿 (Atom)