2013年10月10日木曜日

Wikipedia日本語版の代数幾何学の記事

English version none

日本語版のWikipediaの中で代数幾何学に関連する記事(項目)があまりに少なく、『草も木も生えていなかった』状態でした.少しは項目を増やそうと考え、英語版のWikipediaの記事より、いくつか日本語化しました.時間がかかましたし、記事の粒は揃っていませんが、少しは『こけが少し生えた』のではと思っています.これらは有機的につながっているのですが、便宜的に下記のように分けさせていただきました.

なお、関連する項目は、下記に上げる日本語版の代表的な記事からたどってください.

1、代数多様体の分類理論:

小平次元

関連記事たくさんあります.例えば、『極小モデル』『飯高次元』『双有理幾何学』などなど、

2014年4月:『小平次元』という命名について、記事に事実と異なる記載があり、訂正いたしました.経緯については下記を参照願います.

再び小平次元について

2、代数幾何学の基本的理論:

アフィンスキーム

射影スキーム

これら2つは代数幾何に欠かせない考え方ですので、HartshorneやRed bookのほんのさわり程度にはまとめています.他には、『幾何学的不変式論』など、現在進行中です.

3、Riemann-Rochの定理:

リーマン・ロッホの定理

この定理なしでは代数幾何学が成立しないような重要な定理で、他に関連する記事は、『曲面のリーマン・ロッホの定理』『豊富なラインバンドル』『モジュライ空間』などなど

4、具体的な例、と基礎となっている理論:

代数曲線

基礎となっている理論としては、『代数曲面』『セール双対性』『GAGA (代数学)』『標準バンドル』『交点数 (代数幾何学)』『交叉理論』などなど

5、数理物理との関連:

ホモロジカルミラー対称性予想

これはミラー対称性との関連です。『数え上げ幾何学』『安定写像』『グロモフ・ウィッテン不変量』『量子コホモロジー』などなど

『ホモロジカルミラー対称性予想』(英語版は”予想”は入ってないがあえていれました)は、Hodge Diamondに注力した書き方をしているが、これは追記せねばならないと思っている.一つは、2次元のワールドシートの存在(シグマモデル)を意識した書き方をしないと本質をいったことにならないのではないかと思っている.二つは、一つ目と関連するが、Calabi-Yau/Landau-Ginzburg対応と呼ばれる対応について解明が進んでいるので、これについての概要を記載すべき、三つ目は幾何学的Langlandsのホモロジカルミラー対称性版があるからこれを紹介する必要があると思っている(これはS-双対へとつながっている)現在議論が進行しているものもあるが、記事化すべき段階ではないかと思っている.

他に、ミラー対称性 (弦理論)という記事があります.

ミラー対称性 (弦理論)

本ページは予告なしで書き換えさせていただきます。

10 件のコメント:

  1. 14 Oct 2013

    Kodaira dimensionに双有理分類表を曲線だけにいれてみた。見栄えするが、曲面、3次元が大変だ、、、

    返信削除
  2. 19 Oct. 2013

    Todd種数は、すべての複素射影空間を数値 1 を対応させる性質を持っている。複素射影空間の算術種数が値 1 であるという事実から、種数(genus)という言葉が出てきているのかな

    今まで、なぜ、Todd種数とか、楕円種数とかを、種数(genus)というのかを考えたことがなかった.

    返信削除
  3. 3 Nov. 2013

    夢のような話だ!!

    Wikipediaの英語版で、『飯高次元』という記事に、飯高予想(加法公式予想)について記載したのだが、(おまけに、ノート欄に、専門家のどなたか改善をお願いしますと書き込んだ)

    記載し終えた瞬間、B.Totaro教授が『小平次元』に、手を入れていただいている。英語の専門用語の使い方、参考文献のダブりを指摘されている.

    先日も、Moishezon多様体について、記載した部分に手を入れていただいている。

    『小平次元』には致命的な誤謬ではないことにホッとしていることも事実である。今度は、『飯高次元』のほうは今までの記事の延長にはない話を記載したので、こちらのほうが心配になっている.手がはいるのは時間の問題だと思う.

    本当に夢のような話だ!!!

    返信削除
  4. 5 Nov. 2013

    飯高予想について、何も書かれていなかったので、『飯高次元』のほうへ記載した.この加筆分を日本語版へ反映.

    返信削除
  5. 『交点数』はグラフ理論の交点数、結び目理論の交点数がある.

    もう一つは、『交点理論』という数理物理側に近いタイトルが英語版にある。

    返信削除
    返信
    1. 『交叉理論』として日本語化しました.

      削除
  6. 1、2、3、4の分け方は極めて便宜的なもので、整理し直す必要があると思っている.

    返信削除
  7. 18 Apr. 2014

    昨日、ある方より、飯高先生ご自身のWebで『小平次元』の記事のヘッドラインにある、誰がいつ小平次元を名前を付けたかということについて異議があるとの内容の記述があることを教えていただいきました.

    URLは、

    http://www-cc.gakushuin.ac.jp/~851051/second3j.pdf

    で、タイトルは『種数の一見解』とあります.これを読んで、記事の修正することにしました.

    返信削除
    返信
    1. 要するに、『小平次元はシャファレビッチさんらが定義し命名したという記載になっているが、定義し命名したのは飯高先生です.』

      削除
  8. 小平次元に関連する話題として、B. Totaro教授が、多様体の分類問題に関するWikipediaの記事を更新させているようです.

    小平次元のページを記述してときに、小平次元 0 や -∞の部分で助けていただいているが、今度は、線織多様体や有理多様体、ファノ多様体を改訂しておられる.

    まったくありがたい話で、最新の結果が記載されているとともに、標数が正の場合についても言及されている.

    正標数では一般型であって、単線織である多様体の例が提示されている.標数 0 の場合は証明されているが、正標数では成り立たない例.

    返信削除