2011年1月21日金曜日

エントロピック重力理論の記事(まとめ)

English version
2010年5月以後のエントロピック重力理論に関する記事をまとめました.

1,UppsalaとPerimeterを終わった後の感想

E. Verlinde さんの講義に登場する宇宙の話題I

E. Verlinde さんの講義に登場する宇宙の話題II

E. Verlinde さんの講義に登場する宇宙の話題III

E. Verlinde さんの講義に登場する宇宙の話題IV

2011年7月1日のE. VerlindeさんのUppsala Strings 2011でのレクチャ

Verlindeさんの講義「我が宇宙の隠れた相空間」

2011年6月21日のPerimeter研究所でのレクチャについて(私の短い文書を含んでいます)

Verlindeさんの講義「我が宇宙の隠れた相空間」


2,Erik Verlindeさんの『ビッグバンと宇宙の新しい説明』

Verlindeさんのビッグバンと宇宙の新しい説明

デンマークの科学ライターのRobin Englhardtさんのインタビュー記事です。下記のURLが原文です。

Erik Verlinde, the Big Bang and a new Explanation of the Universe

2011年4月28日のCERNでのレクチャのpdfファイルです。Harvardでのレクチャなど2010年の弦双対性やホログラフィック原理を、熱力学の断熱定理から導出されてます。これからダークマター、エネルギー、物質の起源を考察するというストーリィと考えてよいのではないでしょうか。また、上記のインタビュー記事の線に沿っています。

THE COMMON ORIGIN OF GRAVITY DARK ENERGY AND MATTER

        ----------------------

3,最初に、何を思っていたか。エントロピック重力理論の契機
重力の起源は?

4,新聞などの記事

エントロピック重力理論と宇宙論のRobin Englhardtさんによるインタビュー記事です。コメントもいれています。(この項目のEnglish version

Verlinde さんの記事 I

Verlinde さんの記事 II

Verlinde さんの記事 III

この記事は私のブログの中で、ヒット率がダットツのトップです。前後関係についても丁寧に解説された記事と思い掲載しました。
(この項目のEnglish version

【対訳】A New View of Gravity

この記事の中に動画があります。記事の質疑応答を日本語化しています。(この項目のEnglish version

E.Verlindeさんの動画

5, E. VerlindeさんのH.P.およびE. Verlindeさんの論文の翻訳
熱力学からNewtonとEinstein
熱力学からNewtonとEinstein I
熱力学からNewtonとEinstein II

6, その後、2010年10月25日にHarvard大学にて、次に続くエントロピック重力理論の講義をされておられます。理論の新展開が1時間の公開講座となっています。
Emergency of Gravity

また、KITPで8月4日にもエントロピック重力理論の講義をされておられます。
Emergency of Gravity

(同じタイトルですが、内容と強調点が違います)

7, ○○さんへの手紙(別の話題も含まれています.)
重力理論についての書簡
最近の○○さんへの書簡
  下の書簡の中には、E. Verlindeさんの新しい講義の内容を少しいれてあります。
エントロピック重力理論をめぐる○○様への書簡II


15 件のコメント:

  1. 4/28のCERNの講義のスライドがありました。ネット上にあります。

    http://bit.ly/iHA8mg

    Googleサーチすると、4,5番目位にあります。

    タイトルは、

    THE COMMON ORIGIN OF GRAVITY DARK ENERGY AND MATTER

    です。

    この文書と、さらにKITPやHarvardの公開されている講義と比較して、新しい点は、

    Flattening of rotation curves

    と思われます。(dark energy, dark matter, and matterの分布の話は、この文書に既にでています。)

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  2. UppsalaでのVerlindeさんのレクチャの後、聴衆から

    「重力子はどのように考えますか」

    との質問が提出されました。Verlindeさんは

    「phononと考えてください」

    との明確な回答でした。

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  3. Strings 2011とPerimeterのE. Verlindeさんのレクチャを聞くことができた。

    おそらくBasicな部分

    1、ブランクホールへの崩壊(フェルミオンの崩壊)=重力崩壊について、行列の「縮退」で説明されていること。このことは弦双対性の説明にも使われている。

    2、熱力学の断熱定理(体積不変性)は、反作用としての重力の出現を説明するものとなっている。この量子力学バージョンがBorn-Oppenheimerの近似として現れる。

    3、行列の「縮退」をダークマター、ダークエネルギーの説明にも使っている。

    宇宙論への応用については、

    1、熱平衡から非平衡部分を物質とする見方は上の1、2、3から出てくる結果かもしれない。

    2、ダークエネルギー、ダークマターの本質をエントロピック重力で説明してされている。これが事実とすると、銀河の回転速度の謎について説明がついていき、MONDのa_0の値も予言できるのかもしれない。

    このあたりの話を簡単にまとめておく必要があるような気がしてきた。(一般の人にもわかるような内容で)

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  4. 先ほど、次のコメントがphysicsforumsに出ている。googleが知らせて来た。しかしSchreiberさん批判されてる。そりゃ違うんではと、、

    Relation between Verlinde's Entropic gravity and AdS/CFT Beyond the Standard Model discussion.

    ---------

    I have been thinking about Verlinde's entropic gravity in relation to AdS/CFT. In Verlinde's gravity, gravity is caused by changes in entropy on holographic screens. Now if we look at the dimensionality of this picture, we have gravity in 3+1 dimensions (regular space, like where Newtons law og gravitation works) and then we have the holographic screens, embedded in the 3+1 dimensions, as 2+1-dimensional objects. Now this looks to me, as we have:
    Gravity in 3+1-dimensions
    Information on holographic-screens (2+1-dimensions)

    This looks to me, like we have situation, which is described in the AdS/CFT-conjecture. In AdS/CFT we have the following
    Gravity in n+1-dimensions
    A conformal field theory in (n-1)+1-dimensions

    Here, can the duality then be seen as a relation between gravity and a CFT, where one causes the other? If so, then it looks viable with Verlinde's gravity.

    Also, this thought leads to two questions from my side. 1) Is it possible to describe the information on the holographics screens (in Verlinde's gravity) as a conformal field? And 2) Can Verlinde's gravity (in this relation) be seen as a proof of the AdS/CFT-conjecture in the low-energy/infrared regime?

    Schreiber

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  5. Woitさんのブログに、String 2011の記事が出ているが、その先頭にMarcusさんという人がコメントしていて、ほとんど同じことを感想をもべておられます。(今頃、気付いた)

    Marcus says: June 27, 2011 at 9:31 pm

    Verlindeさんのトークが、Uppsalaで今週の末に計画されています。タイトルは今週のPerimeter研究所での(6月22日)レクチャと同じです。興味を持つ誰もがPermeterのトークのビデオをみることができ、そのビデオは聴衆からのいきいきとした反応もあります。

    http://pirsa.org/11060065/

    The Hidden Phase Space of our Universe

    Erik Verlinde

    ブラックホールの物理から得られることと、弦理論を結合すると、速く反応する力学系を基礎として持っている隠れた相空間の存在を議論できます。それはマクロすコピックな視点から大きく見ることはできません。力学系は、対象の位置のような遅いマクロスコピックな観測可能量により影響されます。このことから反作用の力を集めることが導出され、その主要項であるBorn Oppenheimerの力は、基礎となっている相空間の体積を保存しようとする一般的な原理により決定されます。この断熱的な力の反応とし、慣性や重力であることを提案できます。この事実は、隠れた相空間の体積を、知られている慣性と重力の法則より計算することが可能とします。宇宙論的な設定の中では、ダークエネルギーの出現が自然に、基礎となる系の有限温度により説明されます。慣性や重力という普通の法則を導く断熱近似は、地平線の近くでは破綻します。この領域では、反作用はエントロピックな力へ縮退し、慣性や重力の法則は、熱力学的な効果により補正されます。これらの効果の簡単な見積もりが、ダークマターのもっている観測された現象に一致するという結論を導きます。

    Date: 22/06/2011 - 9:00 am

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  6. On Physics Forums an article titled "CDM/MOND duality through Holography" is related to the argment by E. Verlinde about MOND and entropic gravity theory.

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  7. 「Verlindeさんの講義に登場する宇宙の話題I-IV」の中で、精一杯趣旨が伝わるような工夫をしたつもりであるが、まだまだ足りないようだ。twitterで、
    ****
    おそらく、この行列の対角成分と非対角成分の話が、フェルミオンの縮退に関係していて、熱力学の断熱定理が相空間の体積不変と関連付けられて、ブラックホールのエントロピーとの関係がついてくるというのが縦糸、MONDとダークマターは横糸
    ****
    と言っては見たが、次のことはもっともっと説明を必要とするのだと思う。

    1、行列の対角成分と非対角成分の話は線型代数から解き起して、フェルミオン凝縮までの説明

    2、熱力学の断熱定理と体積不変性の関係、これが量子力学としては、Born-Oppenheimer近似となっていくことの説明。これがブラックホールの熱力学とどのように関係するのか。(実は、この点はHarvard、KITPの講義でかなり詳しく講義されているのであるが)

    この縦糸と称した基礎物理的な部分、

    3、「、、、登場する宇宙の話題I,II」で述べたMONDの議論で出てくる定数

        a_0=CH_0

    が成り立つ、エントロピック重力理論側の原理的な部分は、さらに説明を要するような気がします。

    4、Infrationとの関連はどうなるのだろうか。

    など、さらには、

    5、反対意見への反論はどうなっているのだろうか。

    6、素粒子理論側との整合性はどうなってるのろうかというの良くわからない。

    と次々と疑問が湧いてきます。

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  8. 数理科学2011年10月号、太田先生の巻頭記事

    B.H.の満たす熱力学的関係は、より一般の時空に拡張されている.曲がった時空における量子場の理論を調べるとホライズンのあるどんな時空においても温度があることが分かった.これは時空を温めることができることを意味すると思われるが、それはBoltzmannが統計力学を定式化したのとの類推で、微視的構成子が存在することを意味すると考える人もいる(Padmanabhan).一方、熱力学は、微視的構造、理論の詳細に寄らず普遍的に構成できるので、このようにして普遍的な重力理論が構成されると期待される.これがもし正しければ、Einsteinの重力方程式は状態方程式として理解するべきものであり、基本方程式ではないということになる.この場合、重力理論の繰り込み可能性は問題でなくなり、dark energyの問題は問題も解決するかも知れない.実際、Jacobsonはある種の状況下では、Einsteinの重力方程式が際限されることを議論している.さらに最近Verlindeもこの立場をさらに推し進め、重力がentropy力であるという議論を展開している.

    という記事がでている。

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  9. ブラックホールの形成(恒星の退化)とAdS/CFTの中での重力崩壊については、次を理解しないと本当に理解したことにはならないという気がしている.

    Degenerate Stars and Gravitational Collapse in AdS/CFT arXiv:1010.5784v1

    abstruct:We construct composite CFT operators from a large number of fermionic primary fields corresponding to states that are holographically dual to a zero temperature Fermi gas in AdS space. We identify a large N regime in which the fermions behave as free particles. In the hydrodynamic limit the Fermi gas forms a degenerate star with a radius determined by the Fermi level, and a mass and angular momentum that exactly matches the boundary calculations. Next we consider an interacting regime, and calculate the effect of the gravitational back-reaction on the radius and the mass of the star using the Tolman-Oppenheimer-Volkoff equations. Ignoring other interactions, we determine the "Chandrasekhar limit" beyond which the degenerate star (presumably) undergoes gravitational collapse towards a black hole. This is interpreted on the boundary as a high density phase transition from a cold baryonic phase to a hot deconfined phase.

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  10. エントロピック重力とは直接関連なさそうだが、

    Black Hole Entanglement and Quantum Error Correction arxiv/1211.6913 : http://bitly.com/VfE7qE

    が出ている.Black Hole Firewallの議論を受けてのもののようだ.

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  11. 26 Dec. 2012

    Dutch physicist and string theorist Erik Verlinde has generated a self-contained, logical derivation of the equivalence principle based on the starting assumption of a holographic universe. Given this situation, gravity would not be a true fundamental force as is currently thought but instead an "emergent property" related to entropy. Verlinde's approach to explaining gravity apparently leads naturally to the correct observed strength of dark energy; previous failures to explain its incredibly small magnitude have been called "the greatest embarrassment in the history of theoretical physics". However, it should be noted that these ideas are far from settled and still very controversial.

    という記事が、en.wikipediaの、『equivalence principle』にある。これは論文にはなっていないようなのであるが、、、

    一方で、『Chern-Simons重力予想』というのがあって、dark-matterを仮定しない、理論があるそうである.

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  12. 19 Mar. 2014

    E. Verlinde mentions the following message on twitter.

    Bicep2 has not directly observed primordial gravity waves, only the b mode polarization of the (electromagnetic) cosmic microwave radiation.

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    1. Bicep2 has not directly observed primordial gravity waves, only the b mode polarization of the (electromagnetic) cosmic microwave radiation.

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    2. 「重力はフォノンのようなものだから、、、」といっていたE.Verlindeさんは、重力波は存在しないと言っているので、今回のBICEP2の実験結果には異議を唱えると思っていいた.案の定、『原始重力ではなくて、b-modeの宇宙輻射(電磁波)の偏極でしかない』と言っている.

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  13. 7 Mar. 2014

    今になって、やっとエントロピック重力をWikipedia日本語版へ登録した

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