English version
10月23日に第二回目の数理物理の学習会を行ったときのレジュメです。
ゼータ函数と統計力学I 1、素数の分布
ゼータ函数と統計力学II 2、数論と物理の合流の原点
ゼータ函数と統計力学III 3、様々なゼータ函数
ゼータ函数と統計力学IV 4、統計力学とゼータ函数(その1)
ゼータ函数と統計力学V 4、統計力学とゼータ函数(その2)
ゼータ函数と統計力学VI 付録:量子統計力学の入り口の入り口
数理物理セミナ新年会(第三回目)のレジュメ
以下の2つは、Wikipediaの日本語版が詳しいPlanckの法則の補足は、英訳し、英語版が詳しいBoltzmannの公式のAppendixは日本語に訳したものです。ゼータ函数の特殊値がそれぞれの公式でしめした計算の処方に取り入れられています。
Wiki「プランクの法則」の補足の英語訳
Wiki「Stefan Boltzmann law」の補足の日本語訳
いつか、黒体輻射のことについて、物理的(歴史的)なことと、ゼータの関係を包括的にまとめたくなってきた.
返信削除量子カオスという言葉が妥当ではないのではという意見がある。Keatingさんの文章を紹介する。Keatingさんは『量子カオロジー』という言葉を使っておられます。
返信削除Quantum chaos is concerned with the study the quantum mechanics of classically chaotic systems. In reality, a quantum system is much less dependent on the initial conditions than a classical chaotic one, where id much less dependent on the initial conditions than a classical chaotic one, where orbits are generally divergent. This is the reason why M. Berry proposed the name quantum chaology instead if quantum chaos.
Quantum chaos, random matrix theory, and the Riemann zeta-functionより
私の大きな勘違いがなければ、
返信削除日本語では、『素数からゼータへ、そしてカオスへ』小山先生のp157当たりが該当していて、
「固有函数の絶対値、すなわち確率振幅の大きな位置が古典力学でボールが動くのと同じ測地線をなすのではないかという、一部の物理学者が抱いていた夢については先ほど説明した.このとき彼らが観察した黒い図形はスカーリングと呼ばれる.数路的量子カオスは、その夢を打ち砕いたと言われる.それは、Rudnik、Sarnakによる共著論文による定理を指す.彼らはまず、スカーリングが集合S上に発生するという現象を、数学的に厳密に定義した』
とある、この物理学へのインパクトが大きいのではないだろうか。
詳細は13章、数論的量子カオスの概要
もうひとつ、Sarnak先生の仕事の一つには、
返信削除Serberg予想:「基本領域の面積が有限であれば、Laplacianの固有値は無限個存在するであろう.より詳しくは、固有値の個数は1次のオーダーで増大するであろう、
(x以下の固有値の数)~cx (x→∞)
が、ある定数cについて成立する.」
という予想を否定して、
「基本領域が非コンパクトで面積が有限であれば、ほとんど全ての場合にLaplacianの固有値が有限個となるであろう、
Selbergの予想の成立するのは、合同群などの数論的な場合に限るであろう」
というもの.これも非常に重要な結果と思います.
この全者と後者とを兼ね合わせて考えると、
返信削除『数論的量子カオス』
という命名は妥当ではないかと思えます。
Pitkanen先生のブログに「Riemann zeta and quantum theory as square root of thermodynamics」とタイトルした、次のようなことが出ている。
返信削除MW tells in the interview about the thermodynamical interpretation of zeta function. Zeta reduces to a product ζ(s)= ∏_pZ_p(s) of partition functions Z_p(s)=1/[1-p^{-s}] over particles labelled by primes p. This relates very closely also to infinite primes and one can talk about Riemann gas with particle momenta/energies given by log(p). s is in general complex number and for the zeros of the zeta one has s=1/2+iy. The imaginary part y is non-rational number. At s=1 zeta diverges and for Re(s)≤1 the definition of zeta as product fails. Physicist would interpret this as a phase transition taking place at the critical line s=1 so that one cannot anymore talk about Riemann gas. Should one talk about Riemann liquid? Or - anticipating what follows- about quantum liquid? What the vanishing of zeta could mean physically? Certainly the thermodynamical interpretation as sum of something interpretable as thermodynamical probabilities apart from normalization fails.
MWはMatthew Watkinsさんで、数論で私もH.P.をよく見ています.
この部分を日本語化しておきます.
返信削除MWさんはインタビューで、ゼータ函数の熱力学的な解釈についてこう述べています。
ゼータは素数pによってラベルづけされた粒子をわたる分配函数Z_p(s)=1/[1-p^{-s}]の積
ζ(s)= ∏_pZ_p(s)
に還元します。これは無限の素数にも非常に密接に関連していて、log(p)で与えられた、運動量/エネルギーをもつRiemannガスについて述べることができます.sは一般の複素数でゼータのゼロ点に対し、s=1/2+iyを得ます。虚部yは非有理数で.S=1でゼータは発散し、Re(s)≤1に対し、ゼータの積として定義することはできなくなります。物理学者はこれをs=1の線上で発生する相転移として解釈しますので、Riemannガスについて話ができなくなります.Riemann液体はどうでしょうか?あるいは、何が起きるのでしょうか。量子液体でしょうか。ゼータがゼロになることはどのような物理的な意味をもつのでしょうか。確かに繰り込みから離れての熱力学的な確率の和としての解釈はうまくいきません.