2014年4月13日日曜日

Wikipedia日本語版、数論関連の記事

English version none

日本語版のWikipediaの中で数論に関連する記事(項目)を微力ながら、少し記載しました.数論は代数幾何学とは異なり、多くの項目がすでにありましたが、下記の観点から見直したものがあります.

なお、関連する項目は、下記に上げる日本語版を改訂、新規登録した代表的な記事からたどってください.

1、Ramanujan-Petersson予想(Ramanujan予想):

ラマヌジャン・ピーターソン予想

関連する記事として、"Eisenstein series","real analytic Eisenstein series","Ramanujan's tau function","など、本件は英語側で苦労しました.

2、Weil予想:

ヴェイユ予想

DeligneがWeil予想を解明したことの結果として、1、のRamanujan-Petersson予想が解かれたことは有名.前の記事は、複素数体か実数体のような滑らかな多様体を前提としたような内容で違和感を覚えたので、書き換えました.有限体の上の代数多様体を考え、そこでの点の数の数え上げがこの問題の肝ではないかと思います.確かにヒントは、複素数体上のKahler多様体での類似定理の証明にあるにはあるのですが、、、.

26 May 2014:合わせて『合同ゼータ函数』も大きく書き換えました.

合同ゼータ函数

3、Kronecker青春の夢(Hilbertの第12問題):

ヒルベルトの第12問題

ヒルベルトの第12問題は、有名な『クロネッカーの青春の夢(Kronecker's Jugendtraum)』です.前にあった記事はかなりトンデモな記事でした.だいぶ前に気付いていましたが、他のサイトの記事がトンデモにリンクをはっていて影響もあるので、思い切って更新しました.関連記事は、「虚数乗法」など、

4、ideal類群:

イデアル類群

日本語版にあってほしい項目をいくつか登録しました.たとえば、「クロネッカー・ウェーバーの定理」など、

5、楕円曲線:

ノート:楕円曲線

この記事は既設の日本語版を批判するものではないのですが、英語版がいくつかの点で優れているので、日本語化しました.ノート欄に登録してます.

本ページは予告なしで書き換えさせていただきます.

8 件のコメント:

  1. 「非アーベル的類体論」の項目の「アーベル的か否かに依存しなく」以下は次のような感じではないでしょうか?

    (...)がアーベル的か否かに依存しない。これは決して求められている非アーベル的理論ではない。それを示す第一の理由は、(...)である。非アーベル的類体論の目標を説明する普通の仕方は、その理論はそのような分解のパターンをより明示的な仕方で提供すべきである、というものである。

    したがって、コホモロジー的アプローチは、非アーベル的類体論を定式化する上では限定的に使われた。このアプローチの歴史の背景には、ディリクレ級数を使わずに、言い換えればL関数を排除して、類体論を証明するというシュバレイの望みがあった。類体論の主要定理の証明の第一波では、その証明は二つの「不等式」を要素として構成されていた。(...)その二つの不等式のうちの一つの証明が、L関数についての議論を含んでいた。

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  2. (続きです)
    「この結果はイデアル類群」→「イデール類群」

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    1. ご指摘いただきありがとうございました.

      何故、Chevalleyのやろうとしたことが、目的である非アーベル的類体論の構成へ至らなかったのか、ということが「非アーベル的類体論」の記事の主要部です.

      Langlands予想が現在のところ、L-函数を対象としていることとの対比で、書かれていることも考えて、ささやかながら改善いたしました.

      今後とも、よろしくお願いいたします.

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  3. 28 May 2014

    「楕円曲線」という記事について

    英語版の「楕円曲線」はこの上を行く素晴らしい仕上がりになっています.何が優れているか言いますと、

    ・ ストーリィー性があること
    ・ 例が具体的であること
    ・ 他の定理や予想との関連性を明確に記述していること(例えばBSD予想)
    ・ 次に何を見たらよいかを記述していること(興味をもった人がもっと読みたい、勉強したい場合に何を見ればよいかを書いてある)

    という点です.

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  4. また、「合同ゼータ函数」も大幅に書き換えています.

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  7. 代数的整数の記事に、複素平面に代数的整数をプロットした図の件を加えさせていただいた.

    作者に聞いたところ、モニック多項式の係数を-10から10まで、次数を5まで動かしてプロットしたとのこと、Baezさんのページが紹介されていて、フラクタルとの関係が紹介されている.

    なかなか、綺麗です

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