2010年4月28日水曜日

3次元重力の問題

3次元重力の問題

今年になってからある友人と、ブラックホールの話をしていて、Stromingerさんの「(量子重力理論の)5つの問題」と題するエッセイ(?)を見る機会がありました。この中に3次元重力について書かれている部分があり、これを引き金にして、

1、 Chern-Simons理論と重力理論の関係はどうなっているのか
2、 中心電荷と重力の関係はあるのか
3、 AdS/CFTの3次元版はどのようになっているのか

に疑問を持ちました。すると恐ろしいことに、「3次元の重力理論は位相的な場の理論である」ということはどうも誤りあることがわかりました.(もちろんChern-Simons理論は、計量を無視できるので位相的な場の理論です。)このことを、Wittenさんが、下のプレプリントに書いておられることがおぼろげながら、分かってきました.

0706.3359v1 "Three-Dimensional Gravity Reconsidered"

この5年間くらいは、3次元の重力理論は位相的な場の理論になるとばかり思っていて、結び目理論と同等なのだ(少し言い過ぎ)とナイーブに思っていたことがどうもそうではないらしい.

これはとんでもないことのようです.

4 件のコメント:

  1. 私のポイントはずれているかもしれない。

    Wittenさんの1988年の

    "2+1"Dimensional Gravity as an Exactly Solvable System"

    と2007年の

    "Three dimensional Gravity Reconsidered"

    の間には、少し開きがあって、

    前者では2+1次元重力はCS理論になるといっていて、後者ではCS理論だけはなくて、CFT双対がMonsterCFTとなると言っていて、BTZブラックホールのエントロピーを計算して、Bekenstein-Hawkingの計算との一致を確認しているのか。

    前者は摂動理論で、後者は非摂動的なものがあるということのようだ。

    YouTubeに講義ビデオが公開されているのか。

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    1. "2+1"Dimensional Gravity as an Exactly Solvable System"



      "Three dimensional Gravity Reconsidered"

      の間の乖離は少しとは言えないかもしれない.要は、『3次元の位相重力はChern-Simons理論になるのでは』ということが、後者の論文がでるまでの「常識」となっていたと考えているが、必ずしもそうでないということかもしれない.

      これとChern-Simons重力とはどのような関係になっているのであろうか?

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  2. But non perturbatively there is a real question, as in gauge theory we will have to allow a non-invertible vierbein.
    Witten said in the lecture

    "My own view in 1988 was that the gauge theory description was correct non-perturbatively, and had to allow a degenrate vierbein to make sence of the quantum theory.

    The view was criticized fairly convincingly."

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  3. この問題は解析接続の問題ではないようだ.

    共形場(臨界共形場)の議論のようだ.

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